マルタでお気に入りの場所の一つに、
スリーシティーズという場所があります。
首都バレッタの対岸に位置する、
ヴィットリーオーザ、セングレア、コスピークワの三つの町の総称です。
観光客で溢れるバレッタと比べてとても静かで、
のんびり散策をするにはぴったりの美しいところです。
路地裏散策なら断然ヴィットリーオーザがおすすめなのですが、
セングレアにも面白い場所があります。
ある日セングレアを行くあてもなくぶらぶらしていると、
町の先端にあるカードヨーラ公園という小さな公園に行き当たりました。
海に突き出すように塔が立っていて、その塔の装飾がちょっと奇妙なのです。
壁面に大きな目玉と耳と鶴が彫刻されていて、
とても個性的な見た目をしています。
この塔はどうやらマルタ騎士団時代の監視塔だったようで、
「空と海から目を凝らし耳を澄まして監視している」という、
敵へのメッセージを表していたのだそう。
じっと見ているとなんだか効果がありそうな気がしてきます。
この日はとても風が強くて少し寒く、
寒い寒いと言っている私に友達が革のジャケットを貸してくれたのですが、
それがずっしりやたらと重くて、
マルタ騎士団もこんな感じの重い鎧を着てたのかなーなどと妄想に耽りました。
そしてひとしきり妄想して気がすんだところで、
「これ鎧みたいに重いから返すわ」
と失礼な事を言った思い出の場所でもあります。
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